思考整理ノートで迷いを減らす｜INFPが在宅自立に近づくためのノート術

頭の中で考えごとが増え続けると、何もしていない時間でも強い疲れを感じやすくなります。
INFPやHSPのように感受性が高いタイプは、考えすぎや気にしすぎが起きやすい性質があります。

思考整理ノートは、頭の中にある考えや感情を書き出して、「状況」「気持ち」「次の一歩」を分けて整理するためのノートです。

在宅で働きたい人にとって、働き方・人間関係・将来のイメージを整える道具にもなります。

思考整理ノートとは？頭の渋滞をゆっくりほどく紙のスペース

思考整理ノートの目的と役割を、最初に整理します。
日記やジャーナリングとの違いを理解すると、使い方がはっきりします。

日記やジャーナリングとの違い

思考整理ノートは、「気持ちを書いて終わり」のノートではありません。
状況と気持ちを切り分けて整理し、行動まで決めるためのノートです。

代表的な3つの書き方を比べると、役割の違いが分かりやすくなります。

書き方	主な目的	主な内容	ゴール
日記	1日の記録	出来事	行動の記録
ジャーナリング	頭の中の発散	浮かんだ考えを制限なく記録	モヤモヤの一時的な排出
思考整理ノート	悩みの整理と行動の決定	事実・感情・本音・次の一歩	問題点の把握と行動プラン作成

たとえば「仕事をやめたい」と感じた場面を考えます。

日記では、「上司からきつい言い方をされた。」というように、その日の出来事を中心に書くことが多くなります。

思考整理ノートでは、内容を分けて記録します。

• 事実：資料のミスを指摘された。残業が週○時間続いている。
• 感情：怖さ、悔しさ、恥ずかしさ。
• 本音：在宅で働ける仕事に興味がある。
• 次の一歩：在宅ワークの種類を3つ調べる。

同じ出来事でも、事実・感情・本音・行動を分けて書くことで、「何がつらいのか」「どこを変えたいのか」がはっきり見えてきます。

ジャーナリングの基本や書き方については、次の記事で詳しくまとめています。
≫ 【初心者向け】ジャーナリングのやり方と効果｜朝夜5分テンプレ付きで解説

INFP・HSPが思考整理ノートを持つメリット

INFPやHSPには、次のような特徴がよく見られます。

• 1つの出来事を長く考え続ける。
• 行動する前に頭の中で何度もシミュレーションして疲れやすい。
• 困りごとを、まず自分の中だけで抱え込むことが多い。

思考整理ノートを使うと、次のような効果が期待できます。

• 頭の中でぐるぐる回る考えを紙に出すことで、負担を軽くできる。
• 事実と感情を分けて書くことで、つらさの原因を見つけやすくなる。
• 自分会議の記録が残り、価値観の変化や成長が分かりやすくなる。

INFPとHSPの共通点や違い、向いている仕事については、次の記事でまとめています。
≫ INFPでHSPかも？共通点・違い・向いてる仕事を解説

デジタルより手書きノートが役立つ場面

スマートフォンやPCのメモアプリでも思考整理はできますが、感受性が高い人には手書きノートが合う場面も多くあります。

形式	向いている人	メリット
紙ノート	通知で集中が途切れやすい人	集中しやすい イラストやシールなど自由に整理しやすい
デジタル	タイピングが得意な人 検索を多用する人	検索が簡単 バックアップが取りやすい

通知や広告に意識を持っていかれやすい場合は、思考整理だけ紙ノートに任せる使い方が向いています。

タイピングが得意で、検索機能をよく使う場合は、デジタルのノートアプリも選択肢になります。

思考整理ノートで整理したい3つの領域

思考整理ノートに書く内容を3つに分けると、ページが散らばりにくくなります。
働き方・人間関係・将来イメージの3つを軸にして書くと、在宅自立の道すじも見えやすくなります。

INFPが日本の職場で感じやすい生きづらさについては、次の記事で背景を詳しく説明しています。
≫ INFPはなぜ日本に合わないの？文化と価値観のすれ違いを解説

仕事・働き方のモヤモヤを言語化する

在宅自立を目指すときは、今の仕事でどこに負担を感じているかを言葉にすることが重要です。

次の3つを、別々のページに分けて書き出してみてください。

• つらい点・負担が大きい点
• 楽しい作業・得意な作業
• 理想に近い働き方のイメージ

たとえば、つらい点には「通勤ラッシュでぐったりする」「電話対応で強い緊張が続く」といった内容が出てきやすくなります。

一方で、楽しい作業として「1人でコツコツ進める仕事」「文章を書く作業」といった項目が挙がる場合も多いです。

3つの視点で書き出すと、合わない働き方と合いやすい働き方の差がはっきりしてきます。

人間関係の距離感と役割を客観視する

INFPやHSPは、人の表情や声の調子に敏感で、人間関係から大きなストレスを受けやすいタイプです。

思考整理ノートでは、よく関わる相手ごとに「特徴」と「付き合い方の目安」をまとめます。

たとえば、次のような書き方ができます。

• Aさん（職場）：会話は楽しいが愚痴が多く、長時間話すと強い疲労を感じる。
  → 雑談は短めにして、深い相談は避ける。
• Bさん（家族）：心配してくれるが、意見が強く押し気味。
  → 働き方の細かい計画はあまり話さず、「最近元気で過ごしている」といった近況を中心に伝える。
• Cさん（友人）：価値観が近く、在宅ワークに理解がある。
  → 在宅自立の相談がしやすい相手として大切にする。

人ごとに「どのくらいの距離感で付き合うか」を言葉にしておくことで、関係に振り回されにくくなります。

将来設計と在宅での自立イメージを描く

具体的な職業名が決まっていなくても、暮らし方のイメージを言葉にすると、在宅自立の方向性が見えやすくなります。

将来像を考えるときは、次の3点を意識して書いてみてください。

• 住みたい場所や住環境
• 1日の生活リズム
• 必要な生活費と、安心できる収入ライン

たとえば「午前はゆるやかに過ごし、昼から夕方に集中して作業する生活」「自宅と静かなカフェを行き来しながら仕事をする生活」というイメージでも十分です。

理想の暮らし方をノートに書き出しておくと、在宅ワークや副業の選択肢を比べるときの基準になります。

思考整理ノートの基本フォーマットと1冊運用の考え方

長く続けるためには、複雑なルールよりも、分かりやすくてラクな型が役立ちます。

管理しやすさを優先して、基本的には1冊で回す使い方を目指します。

1冊で完結させる「マイ思考整理ノート」の前提

扱いやすい運用ルールは、とてもシンプルです。

• 思考整理用のノートは1冊にまとめる。
• 表紙の裏か最初のページに、ざっくりした目次を書く。
• 大事なページだけページ番号をメモする。

たとえば、最初のページに「1ページ：仕事のモヤモヤ」「5ページ：人間関係」「10ページ：将来イメージ」と書いておくだけでも、あとから探しやすくなります。

見開きレイアウトの基本形

思考整理ノートでは、見開き2ページを1つのテーマに使うと整理しやすくなります。

• 左のページ：状況や数字などの事実を書く
• 右のページ：感情や気づき、次の一歩を書く

たとえば、仕事の悩みを扱う場合は、左ページに「上司の発言内容」「勤務時間」「残業の回数」などをまとめます。

右ページには「そのときの気持ち」「本音として望む働き方」「明日から試したい行動」を書きます。

左右の役割を分ける書き方によって、感情に引きずられすぎずに状況をながめやすくなります。

月・週・単発メモの使い分け

時間の流れを意識したページを用意すると、ノートが生活と結びつきやすくなります。

主なページは3種類です。

• 月のページ：今月のテーマや大切にしたい価値観を書く。
• 週のページ：1週間のタスクや気がかりを整理する。
• 単発メモ：気になったことやひらめきを、その場でメモする。

月の初めに「今月のテーマ」、週の初めに「今週の気になること」を書く習慣があると、ノートが日々の軸になります。

INFP・HSP向けの書き方のコツ

INFPやHSPの気質に合った書き方を取り入れると、ノート時間が心の負担になりにくくなります。

感情に飲み込まれない工夫と、完璧主義をゆるめる考え方を意識します。

感情に飲み込まれないための「事実」と「解釈」の分け方

感情が強く動くタイプは、ノートが感情の言葉でいっぱいになりやすいです。
負担を軽くするために、事実・解釈・感情を分けて書きます。

たとえば、上司から注意を受けた場面を整理してみます。

• 事実：上司から「資料の修正をお願いします」と言われた。
• 解釈：能力不足だと思われた、評価が下がったかもしれない。
• 感情：悲しさ、悔しさ、恥ずかしさ。

ここに「別の見方」も書き足します。

• 別の解釈1：単純に直すところがあっただけ。
• 別の解釈2：成長を期待されているから、細かい指摘が入った。

事実・解釈・感情を分けて書く習慣によって、自分を責めすぎない見方を選びやすくなります。

書く内容に迷う場合は、お題集を活用すると、ペンを持つきっかけを作りやすくなります。
≫ 毎日使えるジャーナリングテーマを紹介！お題＆テンプレート一覧

完璧主義を弱めるやさしいマイルール

完璧主義が強いと、「きれいに書けないなら始めたくない」という気持ちが生まれやすくなります。
思考整理ノートでは、あえてハードルを下げるルールを用意します。

たとえば、次のようなマイルールです。

• 文字のきれいさは気にしない。
• 書きかけのページがあってもよい。
• 1ページの途中から別の話題に移ってもよい。

ノートのどこかに「思考整理ノートはきれいでなくて大丈夫」と書いておくと、手が動きやすくなります。

ごちゃついたノートのリフレッシュ術

長く使うと、悩みのページやネガティブな内容が増えて、ノート全体が重く感じられる時期があります。
負担が大きくなったタイミングで、軽いリフレッシュ作業を行うと、再び安心して開けるノートに戻ります。

たとえば、次の3ステップです。

1. 役目を終えたページに「ありがとう」と書き、端に印を付ける。
2. 気づきや学びだけを、別の1ページにまとめる。
3. 読み返すとつらくなるページには付箋を貼り、「当面は読まなくてよいページ」として扱う。

ノート全体を整理し直す必要はありません。
今の自分に必要な部分だけを残す意識で、ノートを軽くしていきます。

思考整理ノートから行動につなげるステップ

思考整理ノートは、気持ちを落ち着かせるための道具であると同時に、在宅自立に向けた行動プランを作る道具でもあります。

在宅ワークや副業ブログに近づくためのステップを、ノートの中で整理します。

条件整理シートで「自分の軸」をはっきりさせる

在宅ワークを探す前に、「どのような働き方なら続けやすいか」を整理しておくと、迷いが減ります。

条件整理シートには、次の項目を書いてみてください。

• 1日に使える作業時間と、作業しやすい時間帯。
• 絶対に避けたい条件（電話対応、対面の接客など）。
• 興味がある分野や仕事。
• 最低限ほしい収入と、安心できる収入ライン。

条件整理シートは、求人情報や案件を見たときのチェック表として使えます。
在宅ワークの条件が合っているかどうかを確認する基準になるからです。

選択肢リストと小さな実験の考え方

在宅で取り組める仕事には、ブログ運営、Webライター、画像デザイン、動画編集、オンライン事務など、いくつかの候補があります。

1つに決め込むのではなく、「少し試してみる」ぐらいの感覚で小さな実験を計画すると、動きやすくなります。

副業ブログの始め方やWordPressの設定については、次の記事で手順を詳しく解説しています。
≫ 【初心者向け】副業ブログの始め方｜WordPress×ConoHa WINGで在宅ブログを始める手順

在宅ワークや副業ブログへの橋渡し

思考整理ノートを、行動の記録帳としても使うと、自信が育ちやすくなります。

行動につなげるポイントは3つです。

1. やりたい内容を小さな作業に分けて書く。
2. 実際に試したことと感想を短くメモする。
3. 次に行う一歩を1つだけ決める。

たとえば、副業ブログに興味がある場合は、以下の流れを作り、ノートに記録していきます。

• 1日目：テーマ候補を3つ書く
• 2日目：参考にしたいブログを3つ選び、好きな点をメモする
• 3日目：最初の記事タイトル案をいくつか出してみる

小さな実験と振り返りをくり返すことで、在宅ワークや副業ブログへの道が少しずつ具体的になります。

思考整理ノートのよくある質問（FAQ）

思考整理ノートに取り組む前や、書き始めた直後には、よく同じ疑問が出てきます。
代表的な質問を3つ取り上げます。

Q1：毎日書けなくても意味はありますか？

毎日書かなくても大丈夫です。
強いモヤモヤを感じたタイミングだけ開く使い方でも、十分役に立ちます。

月に1〜2回の「振り返りデー」を決めて、その日にまとめて書く方法もあります。
大切なのは、困ったときに戻れる場所としてノートが存在していることです。

Q2：1冊に全部書くとごちゃごちゃになりませんか？

1冊にまとめると、内容が多く見えることはありますが、目次とページ番号を少し工夫すれば問題なく使えます。

最初のページに大まかな目次を書き、大事なページだけページ番号を振っておくと、必要な情報に戻りやすくなります。

重く感じ始めたときは、この記事で紹介したリフレッシュ術を使い、役目を終えたページを区切る方法もあります。

Q3：デジタルツールやアプリでも代用できますか？

デジタルのノートアプリでも思考整理は可能です。

紙ノートが向きやすい人は、手を動かすと落ち着くタイプや、通知で集中が切れやすいタイプです。
デジタルが向きやすい人は、タイピングが速く、検索をよく使うタイプです。

デジタルで運用する場合は、「思考整理専用フォルダ」や「専用ノートブック」を用意して、他のメモと混ざらないようにすると続けやすくなります。

まとめ｜思考整理ノートで「生き方の設計図」を少しずつ整える

思考整理ノートは、特別な技術が必要な道具ではありません。

モヤモヤを紙に書き出し、事実・感情・本音を分けて整理して、小さな行動を1つだけ決める。
モヤモヤの言語化と行動の分解をくり返すことで、生き方の設計図が少しずつ整っていきます。

INFPやHSPのように感受性が高い人は、頭の中だけで考え続ける時間が長くなりやすいです。
思考整理ノートを「安心して戻れる場所」として育てることで、自分に合った在宅自立の形が見えてきます。

最初から大きな変化を目指す必要はありません。

今日感じた不安を1つ書くことや、在宅ワークに向けた小さな実験を1つ決めることからで十分です。
積み重ねたページが、未来の自分を支える力になります。