
「HSPかも…と思ったけど、音や光にはそこまで敏感じゃない。でも、人の一言がずっと残るし、気を遣いすぎて疲れる。私って何なんだろう?」
私自身もそんなふうに感じていた時期がありました。
SNSではよく「HSPの特徴=音に敏感」と紹介されますが、実はHSPにもいろんなタイプがあります。
そして、後から知った「INFP」という性格タイプです。
この記事では、「HSPだけじゃ説明がつかない」と感じていた私の経験もふまえて、INFPとHSPの違いや共通点、向いている仕事や日常のヒントをまとめました。
「自分がどっちなのか分からない」そんな方のヒントになればうれしいです。
先にざっくり結論だけ
INFPとHSPは似ているけれど、完全には重なりません。
感受性が高い・繊細で共感力があるという点では共通していますが、INFPは「性格タイプ」、HSPは「生まれ持った気質」という違いがあります。
HSPとは?5つの特徴を整理

HSP(Highly Sensitive Person)という言葉を聞いたことがありますか?
最近ではSNSなどでも話題になっており、「もしかして私も…?」と感じる方が増えています。
ここでは、HSPの基本的な考え方やよくある誤解、代表的な5つの特徴を、整理してお伝えします。
HSPの定義とよくある誤解
HSPとは、生まれつき「感覚や感情に敏感な気質」をもつ人のこと1です。
アメリカの心理学者・エレイン・アーロン博士によって提唱されました。
大切なのは、「病気」や「診断」ではなく、ひとつの気質として認識されているということです。
「音に敏感じゃないからHSPじゃない」と思っていた方も、実は別の感受性でその傾向を持っていることもあります。
HSPにはタイプの幅があり、感じ方にも個人差があります。
HSPの5つの特徴
HSPには次のような特徴があります。
- 感覚過敏:音、光、人混みなどの刺激に疲れやすい
- 共感力の高さ:他人の気持ちに強く影響を受ける
- 深い思考:ひとつのことをじっくり考える傾向がある
- 五感の鋭さ:匂いや空気の変化に敏感
- 過去経験への敏感さ:過去の出来事をくり返し思い出しやすい
これらの特徴が、日々の生活で「生きづらさ」と感じられることもあります。
でも、生きづらさは繊細さと深さを持っているという強みの裏返しでもあるのです。
INFPとHSPに重なる気質

INFPは、16タイプ性格診断で「理想主義で思いやりのある性格」2とされます。
INFPの性格タイプとHSPの特徴は、いくつかの面で重なっています。
- 人の感情に敏感で、気を遣いすぎて疲れてしまう
- 想像力が豊かで、物語や芸術に深く感動する
- 一人の時間で心を整えることが欠かせない
筆者自身も、音にはそれほど敏感ではないけれど、誰かの言葉が何日も心に残ったり、場の空気を読みすぎてしまうことがあります。
そういった「心の繊細さ」は、HSPとINFPの共通項といえるかもしれません。
INFPの性格について知りたい方は、こちらの記事で特徴や傾向を詳しく紹介しています。
» INFP(仲介者)の特徴、強みと弱み、職場での特徴を解説!
INFPとHSPの共通点と違い

「INFPとHSPって、似ている気がする」
そう感じたことがある方は、少なくないかもしれません。
たしかに両者には、繊細さや共感力の高さなど、共通点が多くあります。
けれど、似ているからこそ生まれる「混同」や「違和感」も存在します。
ここでは、どこが似ていて、どこが違うのかを丁寧に整理していきます。
共通する敏感さと内面の深さ
INFPもHSPも、他人の感情や場の空気にとても敏感です。
誰かの一言が何日も心に残る、そんな経験をしたことはありませんか?
また、内面の世界を大切にするという点でも重なっています。
価値観、感情、想像力など外の世界より、自分の内側にあるものを強く意識します。
「ひとりの時間が必要」「人とのやりとりに疲れやすい」そんな傾向がある方は、INFPでもHSPでもある可能性が高いといえます。
決定的にちがうポイントって?

INFPは、MBTIという心理学モデルに基づく性格タイプです。
一方でHSPは、外的刺激に敏感な「気質」を指します。
この違いは見逃されがちですが、とても大切なポイントです。
たとえば
- 音や光に強く反応する → HSPの特徴
- 理想と現実のギャップに悩む → INFPらしさ
というように、「何に対して敏感か」が異なります。
外界への反応が強いか、内面に集中しやすいかという視点で見直すと、自分の傾向がよりクリアになります。
SNSでよくある『INFP=HSP?』の誤解
SNSでは「INFPとHSPって同じ?」という投稿をよく見かけます。
確かに共感できる部分も多いですが、混乱のもとになることもあります。
INFPは性格診断の枠組み、HSPは生まれ持った気質です。
理論も前提も異なるため、必ずしも一致するわけではありません。
「どちらか」ではなく、「どちら“も”持っている」そんな視点で捉えることが、自己理解の安心感につながります。
INFPでHSPだとどうなる?日常あるある

「INFPでHSPかもしれない」
そう感じたとき、繊細さと感受性は、日常のあらゆる場面に影響を与えます。
ここでは、よくある3つのシーンをもとに、共感しやすい“あるある”をまとめました。
予定変更に弱いのはなぜ?
突然の予定変更があると、心がざわついて落ち着かなくなる。
頭では理解できていても、感情が追いつかないことはありませんか?
これは、変化に対して敏感に反応する特性によるものです。
予定があると、事前に気持ちの準備をしているぶん、それが崩れると疲労感も大きくなります。
だからこそ、「予定通りに進む安心感」が、日々を穏やかに過ごす鍵になるのです。
頑張りすぎて燃え尽きがち
「やさしくありたい、期待に応えたい」
そう思って動くと、後からどっと疲れが出てしまう。
INFPもHSPも、周囲の感情に敏感なぶん、無理をしてしまいやすい傾向があります。
それは、責任感が強く、優しさを持っている証拠です。
でも、自分の心が満たされてこそ、人にもやさしくできることを忘れないでくださいね。
ひとり時間が必要なのに罪悪感?
「ひとりになりたい。でも、断ったら申し訳ない気がする」
そんなジレンマに心が揺れることはありませんか?
共感力の高い人ほど、「自分のための時間」を取ることに罪悪感を持ちやすいものです。
ひとり時間は「わがまま」ではなく「必要なセルフケア」だと考えましょう。
休むことは、誰かを大切にするための準備でもあるのです。
INFP×HSPに向いてる仕事って?

繊細で、感受性が高く、自分の世界を大切にするのがINFP×HSPタイプです。
INFP×HSPの特性を持つ人にとって、仕事選びは「生き方」と深くつながっています。
ここでは、向いている仕事の特徴や職業傾向をわかりやすくご紹介します。
自分らしく働くためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
向いてる仕事に共通する3つの軸
INFP×HSPの人に合う仕事には、いくつかの共通点があります。
その中でも、特に意識したいのが次の3つの軸です。
- 感受性が活かせること
- ひとりで集中できる環境があること
- 価値観を大切にできること
3つの軸に合った具体的な仕事を、表にまとめてみました。
3つの軸 | 内容 | 具体例 |
---|---|---|
感受性が活かせる | 人の気持ちに寄り添う仕事 | カウンセラー 編集者 |
一人時間が確保できる | 没頭できる静かな環境がある | Webデザイナー ライター |
価値観を大事にできる | 自分らしさを活かせる職場文化 | NPO職員 小規模な制作会社 |
大切なのは、自分が落ち着ける働き方を選ぶことです。
忙しさよりも、心の満足度を基準にすることで、無理なく続けられる仕事に出会えるかもしれません。
INFP×HSPさんの職業傾向

INFP・HSPに向いている職業として、次のような傾向があります。
- 心理カウンセラー、福祉職、介護職
- イラストレーター、作家、エッセイスト
- 図書館司書、アロマセラピスト、校正者
人との関係に深く関わる仕事、またはひとりで創作や作業に集中できる仕事に適性があります。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag(じょぶたぐ)」で自己診断ツールが利用できるので、ぜひ試してみてください。
自分に合う職場を見つけるコツ
職種だけでなく、働く環境や人間関係も重要な要素です。
たとえば、次のような視点で選んでみてください。
- 少人数で落ち着いた雰囲気の職場か
- 上司や同僚が理解あるタイプか
- 勤務時間や業務内容に柔軟性があるか
自分にとって「安心できる場所」を優先することが、長く心地よく働くコツになります。
INFPに合う仕事の特徴が気になる方は、こちらの記事で具体例もご紹介しています。
» INFPに向いている仕事は?強みや適した職業を詳しく紹介
よくある悩みとその対策

INFP×HSPの気質を持つ人は、繊細だからこそ見える世界があります。
その分だけ、他の人には気づかれにくい「しんどさ」を抱えることもあります。
ここでは、よく聞かれる3つの悩みと、その対策のヒントをやさしくご紹介します。
音・人混みなど外的刺激への疲れ
カフェの雑音、通勤電車の混雑、職場のざわつき。
そんな日常の風景に、強い疲労感を覚えることはありませんか?
これは、HSP特有の「感覚過敏」によるものです。
周囲の音や光、視線に対して脳が反応しやすいため、他人よりも早くエネルギーを消耗してしまいます。
対策としては、次のような工夫があります。
- ノイズキャンセリングイヤホンを使う
- 静かな時間帯に移動する
- 帰宅後に「感覚をリセットする時間」をつくる
「感じすぎる自分」を責めず、整える工夫を重ねることが大切です。
自己否定が強くなりやすい時

「こんなことで疲れてしまうなんて、私はダメなのかも」
そんな風に、自分を責めたくなったことはありませんか?
INFPもHSPも、内省的な気質を持っています。
深く考える力があるからこそ、ネガティブな思考にハマりやすい傾向もあるのです。
そんなときの対策として、以下がおすすめです。
- ジャーナリングで気持ちを書き出す
- 親しい人と話す
- 心理系のSNSで共感をもらう
「こんな自分でもいいんだ」と受け止める場を、少しずつ増やしてみましょう。
繊細さと向き合う時間として、ジャーナリングはとても効果的です。
やり方を初心者向けにまとめた記事がこちらからどうぞ。
» 初心者向けにジャーナリングのやり方を解説!
対策のヒント|マインド・環境・支援の3方向から
悩みにアプローチするには、3つの視点を持つとバランスが取りやすくなります。
- マインド:自分の気質を理解し、やさしく受け入れる
- 環境:静かで落ち着いた空間を整える(照明、音、空間など)
- 支援:HSP向けの書籍やカウンセリング、SNSの交流も活用する
どれかひとつに頼らず、少しずつ組み合わせることが、穏やかに生きる鍵になります。
INFPとHSPについてよくある質問(FAQ)

INFPとHSPの言葉は聞いたことがあっても、いざ自分に当てはめると、よくわからなくなることもあります。
ここでは、よく寄せられる質問に対して、Q&A形式でまとめました。
INFPとHSP、どっちの影響が強いの?
これは人によって異なります。
- 外的刺激(音・光など)に敏感 → HSP寄り
- 感情や価値観に強く反応する → INFP寄り
どちらかに決めつけず、「自分の感じ方」に注目して見てみることが、自己理解のヒントになります。
また、INFP-AとINFP-T、あなたはどちらの傾向が強いと思いますか?
それぞれの違いと特徴はこちらの記事で解説しています。
» INFP-AとINFP-Tの違いとそれぞれの強み弱みを解説!
HSPって病気なの?
いいえ、HSPは病気ではありません。
生まれ持った気質であり、人よりも「感じ取る力が豊か」という性質です。
最近ではHSPの存在が広く知られるようになり、特性に合った生き方や工夫も紹介されるようになってきました。
「私はそのままでいい」と、自分に言ってあげてください。
INFP×HSPって生きづらいだけ…?
繊細で共感力があるということは、たしかに生きづらさを感じることもある気質です。
でもそれは、人の気持ちに気づける力や、深い想像力を持っているという強みでもあります。
環境や周囲の理解によって、INFP×HSPの才能が活かされる場面も多くあります。
生きづらさの裏に、あなたらしい魅力があることを忘れないでください。
自分を責めがちなときの考え方
「また気にしすぎた」「うまくできなかった」
そんな風に、自分を責めたくなることもありますよね。
でもそれは、あなたが丁寧に生きようとしている証拠です。
「私は私で、よくがんばってる」少し立ち止まって、こうつぶやいてみてください。
まとめ

INFPもHSPも、繊細で感受性が豊かな気質です。
生きづらさを感じることもあるけれど、それは人の気持ちを受け取る力や、想像の深さの裏返しです。
ここでもう一度、大切なポイントを整理してみましょう。
- INFP:内面の感情や価値観に敏感な性格タイプ
- HSP:外的刺激に反応しやすい生まれ持った気質
- どちらの特性も、「自分らしさ」として活かすことができる
- 繊細さ=弱さではなく、丁寧に生きようとする姿勢の証拠
- 自分に合う環境や働き方を選べば、穏やかに自分を活かせる
この記事が、『これが私の特性なんだ』と少しでも安心できるヒントになれたら嬉しいです。
参考リンク一覧
- ブリーフセラピー・カウンセリング・センター『HSP、繊細さ、感覚過敏、敏感性とは何か?その原因、特徴とケア』(日本語/HSP研究メディア) ↩︎
- 16personalities『infp型の性格』(日本語/16タイプ性格診断サイト) ↩︎